あっちゃんの大道棋研究 - 1 「217手」銀問題の謎を解く その3
その3です。
前回、217手を解く過程で「93同飛成」から収束に入るということを見てきました。この収束へ入るのをもっと早く出来ないかということを研究していきます。 | |
まずはここから収束に入ることが出来ないか調べてみます。 | |
93同飛成とするのが収束への入り口。 | |
同玉に95香とします。 | |
合駒はとりあえず歩にしておきます。 | |
以下85桂、92玉、82成銀、同玉、64角として | |
71玉と逃げますが | |
72歩、81玉、82歩に91玉と逃げました。 | |
ここで香打。合駒に困りましたね。 | |
香合すると同香成から93香で詰みますので銀合してみます。 | |
81歩成、同玉、92香成、同玉、93銀、81玉、82角成で詰んでしまいました。 | |
銀合ではなく頭の丸い角合にしてみると | |
81歩成、同玉、92香成、同玉に | |
93桂成と捨てて | |
71角で簡単ですね。以下92玉、82角成までです。 | |
したがって、93香の時にもし92歩合と出来れば詰まないわけです。 | |
ということで少し戻ってこの局面。 | |
ここで94香と合駒するのがミソ。 | |
以下、同じように85桂、92玉、82成銀、同玉、64角、71玉、72歩、81玉、82歩、91玉と進めていきますが・・・ | |
この香打に対して | |
今度は歩合ができて詰まないわけです。 先に香合して後で歩合して逃れる、玉方香先香歩という手筋らしいです。 そういう専門用語はよくわかりませんが結構貴重品なのかもしれません。 |
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というわけで28手目の93香に対して収束に持っていく筋は不詰でしたのでもう1サイクル後で収束に入るのを調べてみます。1サイクル経ると歩が1枚増えるんですよね。 というわけでここで同飛成と行ってみます。 |
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同飛成、同玉、95香に対して | |
結論から言うと歩でも香でもそれほど大差ないのですが、先ほど香合で不詰だったので今回も香合で調べてみます。 | |
同様に85桂、92玉、82成銀、同玉、64角と進めます。 | |
ここで先ほど不詰だった71玉の筋から調べます。 | |
72歩と打って81玉と逃げ | |
さらに82歩と打って | |
91玉と逃げるんでしたね。 | |
ここで先ほどの図(再掲)と比べていただければわかるとおり、持駒の1歩が違ってきます。 | |
今度は92歩と打てますね。 | |
取って93香まで。簡単に詰みました。 | |
そこで別の逃げ方だとどうなるのか確認します。 まず82歩に対して |
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72玉と逃げると | |
73角成、61玉、63香、71玉、62香成までで詰みますね。 このあたりは一例を挙げているだけですので他の詰ませ方でも構いません。 |
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戻って、64角の時に | |
92玉と逃げる手を調べます。この手が一番長引きますのでこう逃げるのが一応、正解です。 と言っても、64角、71玉以下の手順でも間違いにはならないと思います。 |
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93香とやってみますが93歩でも詰みますのでどちらで詰ませても結構です。 | |
以下、81玉、91角成、72玉 | |
73桂成、61玉、62歩、71玉、82馬まで。 これも一例ですのでどんな手順でも詰ませていると判断できそうなものは全部正解です。 |
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ということで217手の長手数の作意でしたが実は59手で詰むことが判明しました。約4分の1まで短縮されましたね。まあ、59手でも長いですが。 この作品を通じて銀問題の基本的な追い方逃げ方と1サイクル1枚歩が増えるという趣向の面白さ、玉方香先香歩で逃れるという巧妙な紛れの面白さなどを味わっていただければと思います。 もうちょっとだけ研究してみましょうか。 |